公図から土地の境界(筆界)のポリゴン座標を再現性良く読み取る方法は,「公図ビューア
」と,ネット接続と,公図ビューアが動作するコンピュータ端末と,ブラウザアプリを使用します;公図ビューアは無料の基本機能のみ使います;有料のKouzuキーは使いません;この方法なら,法務局での紙の公図,ネットの有料サービス利用,土地家屋調査士などの専門家への依頼は不要であり,端末とネット接続以外の費用は無料です
公図ビューアとは,ガンマソフト株式会社が運営している「公図ビューア for 登記所備付地図データ」で,法務省から2023年1月23日正午からG空間情報センターを通じて無償で一般公開されている登記所備付地図データを簡単に視覚化できるビューアです;
なお,測量データがある農地の土地の場合は,航空写真を重ねて表示できる「eMAFF農地ナビ」がおすすめです;ちなみに,小河内2314-4の現況は梅畑ですが,農地ナビでは表示されませんでしたので,ネットで公図ビューアを見つけ使用しました;
端末は,現況の土地に持ち出しできて,操作がやさしいiPadがおすすめです;iPhoneでも使用可能ですが画面表示が小さいので操作はやりにくいです;12.9 inch iPad Pro(3rd)とiPhone SE(3rd),Safariブラウザで動作を確認しました;現況の土地では自宅からのWi-Fi電波が届かないので,iPhoneのネットワーク共有(テザリング)を利用するか,セルラーモデルのiPadを使用します;
公図ビューアを使って,公図から筆界のポリゴン座標を再現性良く読み取る方法の手順は以下のとおりです;
(1)都道府県,市区村町,地番区域,地番を選択して公図を表示させます
(2)ポリゴンの頂点を中央に合わせ,最大ズームで公図を表示させます
(3)ポリゴンの頂点をタップしてポリゴン座標を読み取りします
(4)「更新」をタップして(1)の初期の公図表示に戻します
(5)(2)〜(4)を読み取りするポリゴン座標の数だけ繰り返します
以上,ポリゴンの頂点の数だけ座標読み取りしたら完了です;例えば,小河内2314-4は7角形なので,7回読み取りします;
ポリゴン座標のデータが取得できれば,ポリゴンを作図できます;
ポリゴンの作図は,iPadで動作するPythonista3(1200〜1500円)で比較的簡単にプログラミングできます;さらに,現況のポリゴン座標間距離を測定して,公図のポリゴンを元にして変形させ,現況のポリゴンを作図できます;
この方法によれば,公図のポリゴン,現況のポリゴン,航空写真とを比較検討できるようになるので,立ち合いでの土地の境界の確認に役立ちます;
公図からポリゴン座標を読み取る必要が生じた一つの理由は,地番の畑への電気柵設置の補助金申請で電気柵の周囲の距離を記載した図を作成するためです;電気柵設置予定の畑の地番は小河内2314-4です;この畑には数年前に梅の苗とペカンの苗を植樹しました;梅の苗は,かもしかやしかに食害されます;この畑は民家に近い場所にあるせいなのか,まだ被害はありません;ですが,その他の畑は自宅近くまで被害を受けているため,この畑もいずれ被害にあうことが予想されます;このため,静岡市野生鳥獣被害防除事業補助金を利用して,かもしか,しか,いのしし用電気柵を設置することにしました;静岡市の中山間地(オクシズ)の奥清水小島の小河内,宍原では鳥獣害の被害が著しく,電気柵の設置を推進しています;補助金申請には,電気柵を設置する土地の地番と電気柵の周囲の距離を記載した図の作成が必要となります;精度の良い図を作成するために,公図の境界の座標と,現況の境界座標間の距離,航空写真を比較します;現況の境界座標間の距離は巻き尺で測れます;航空写真はネットの地図アプリで取得できます;筆界のポリゴン座標を再現性良く読み取ることは,法務局で入手した紙の公図からは不可能でしたが,公図ビューアならできることがわかりました;公図ビューアの使用は今回が初めてです;来年度以降も電気柵を順次設置していく予定です;今後も公図ビューアを使用して公図から筆界のポリゴン座標を再現性良く読み取る方法を実施する予定です
もう一つ理由があります;梅畑の周辺は数年前の土砂崩れに伴う河川氾濫による大災害で石積みなどの境界が失われました;災害復旧後の現況の境界は法的に正しいという保証がありません;災害復旧後の現況の境界の正しさが保証されない場合には,地図より精度が劣るとされる公図だけが頼りとなります;将来,土地の境界について立ち合い確認する時に役立つ資料にすべく,公図から読み取りした境界座標をきちんとまとめておこうと考えました
上記理由以外にも,梅のように間隔が約7mと広い果樹の植樹間隔を検討する時などに役立ちます;畑に限らず,田んぼや林,住宅や貯蔵庫,駐車場など地番がある土地の確認に広く役立つと考えます
以下,本方法の手順を説明します
(0)公図ビューア(https://kouzuviewer.com)にアクセス
します
公図ビューアの無料の基本機能のみ使います;便利そうな機能のボタンが複数表示されますが,無料の基本機能では動作しませんでした;Kouzuキーを購入すれば,すべての機能が使えるようになるはずですが,確かめていないのでわかりません;基本機能でも,公図表示と座標読み取りは可能でした;公図表示を最大ズームにすることで,再現性良くセンチメートル(cm)の精度が得られました
(1)都道府県,市区村町,地番区域,地番を選択して公図を表示させます
(a)「地番>」をタップします;
(b)「都道府県コード」で「22 静岡県」を選択します;
(c)「市区町村コード」で「22103 静岡市清水区」を選択します;
(d)「地番区域(大字や丁目)」で「小河内」を選択します;
(e)「一括表示」に地番の一覧が表示されますので,「2314-4」を選択します;
小河内2314-4の公図が表示されます;
表示された公図の任意の場所をタップすると,下方に座標が表示されます;
例えば,「2314-4」のあたりをタップすると,「任意座標系:1297.13,-151.44」と表示されます;
座標の単位はメートルです;小数点以下2桁まで表示されますので,センチメートル単位で読み取れます;
左下には,「5m」のものさしが表示されているはずです;
この初期画面は,地番の土地全体の概略を把握するのに好適な倍率で表示されます;
(2)ポリゴンの頂点を中央に合わせ,最大ズームで公図を表示させます
(a)ポリゴンの頂点を中央に合わせます
(b)最大ズームで公図を表示させます
12.9インチのiPad Pro横画面の全画面表示でめいっぱい拡大表示させると,左下のものさしは「1m」のめいっぱい長いものさしになります;
(3)ポリゴンの頂点をタップしてポリゴン座標を読み取りします
(a)頂点の周辺をタップしてみて,座標が変化しないか確認します;
例えば,土地の左下隅をタップすることで,「任意座標系:1286.25,-158.60」と表示されます;
センチメートル(cm)の精度で読み取れることがわかります
1センチメートル増減する位置を精密に測定すれば,ミリメートルの精度も可能です;これは,学校の理科で習った「最小目盛りの1/10まで読み取る」のと同じことです
Apple Pencilを使わず,指のタップだけでセンチメートルの精度が得られます;
上記方法の手順で再度測定しても,「任意座標系:1286.25,-158.60」となることを確認できます;この方法なら,誰がいつ操作しても,同じ読み取り結果が得られます;非常に再現性の良い方法だと思います
ちなみに,上記は12.9inch iPad Pro(3rd)の横画面の全画面表示で操作しました;
試しに,iPhone SE(3rd)でも同じ結果が得られましたが,画面が小さいので操作がたいへんでした;
同様にして,7個のポリゴン座標を読み取ります;
(4)「更新」をタップして(1)の初期の公図表示に戻します
(5)(2)〜(4)を読み取りするポリゴン座標の数だけ繰り返します
以上,ポリゴンの頂点の数だけ座標読み取りしたら完了です;例えば,小河内2314-4は7角形なので,7回読み取りします;
「任意座標系:」につづくポリゴン座標の値を以下に列挙します
(1) 1286.25, -158.60
(2) 1303.13, -158.99
(3) 1305.38, -158.25
(4) 1304.72, -137.31
(5) 1295.51, -137.94
(6) 1294.93, -144.88
(7) 1288.32, -145.28
以上のように,ポリゴン座標が取得できれば,辺の長さや面積を計算できます;iPadで動作するPythonista3でプログラミングしてポリゴンの作図もできます;
まとめ:
公図ビューアの無料の機能だけで公図から土地の境界座標を読み取る方法は,法務局で有料の紙の公図から土地の境界座標を読み取る方法よりも再現性が良く,精度も良く,かつ無料です;
公図から土地のポリゴン座標を読み取るには、主にデジタルデータを利用する方法と、紙の公図をデジタル化する方法があります。最も正確で効率的なのは、法務省が公開しているデジタルデータを利用することです。
方法1: デジタルデータ(登記所備付地図データ)を利用する
法務局の地図データは現在、G空間情報センターを通じて無料で一般公開されており、XML形式やシェープファイル形式でダウンロードできます。
G空間情報センターにアクセスする: G空間情報センターのウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成します。
データをダウンロードする: 目的の都道府県・市区町村の「登記所備付地図データ」をダウンロードします。データはZIPファイル形式で提供されます。
GISソフトウェアで読み込む: ダウンロードしたデータ(XMLファイルやシェープファイル)を、QGIS(フリーソフトウェア)やArcGISなどのGIS(地理情報システム)ソフトウェアに読み込みます。
座標を取得する: GISソフトウェア上で土地のポリゴン(区画)を選択すると、その境界を構成する点の座標値(緯度経度または平面直角座標系)を確認したり、エクスポート(GeoJSON形式など)したりすることができます。
この方法は、データに元々座標情報が含まれているため、測量に基づく正確な座標値(地籍調査が行われた区域など)を取得できます。
方法2: 紙の公図(スキャン画像など)をデジタル化する
スキャンした公図画像から座標を読み取る場合、GISソフトウェアを使って位置合わせ(ジオリファレンス)を行う必要があります。
公図の画像データを用意する: 法務局で取得した公図の写しなどをスキャンして画像ファイル(JPEG、PNGなど)にします。
GISソフトウェアに読み込む: QGISなどのGISソフトウェアに画像ファイルを読み込みます。
ジオリファレンス(位置合わせ)を行う:
画像上の明確な地点(道路の角、境界点など)と、実際の地図(Google マップや国土地理院の地理院タイルなど)上の同じ地点の座標を対応付けます。
複数点(最低3点以上、精度を高めるためには多数の点が望ましい)を登録し、ソフトウェアに画像の位置と傾き、縮尺を補正させます。
ポリゴンを作成する: 位置合わせされた画像の上で、目的の土地の境界線をなぞるようにしてポリゴン(図形)を描画(デジタイズ)します。
座標を抽出する: 描画したポリゴンの頂点座標をファイル(CSVやシェープファイルなど)として出力します。
注意点
公図と地積測量図の違い: 公図は土地の位置関係を示す概略図であり、必ずしも正確な測量に基づいているとは限りません。一方、地積測量図は測量法に基づいて作成された正確な図面であり、信頼性の高い座標値が記載されています。
座標系の確認: 取得した座標がどの座標系(世界測地系、日本測地系、平面直角座標系など)であるかを確認し、必要に応じて国土地理院の「測量計算サイト」などで変換を行います。
専門家への相談: 正確な土地の境界や座標が必要な場合は、土地家屋調査士などの専門家に相談することを推奨します。